現金・銀行口座

現金・銀行口座

現金や銀行口座の記録は、経理の記帳をする上での出発点です。これらについて、正しい記録を残し、かつ管理の手間は減らせないか、ということを考えてみます。

1. 現金管理の方法

経費精算のために、事務所に現金を置く会社もあるでしょう。今回は現金の管理について考えます。

まず、現金は管理上、次の2点が厄介です。

  • 現物を数えないと残高がわからない
  • 記録が無いと増減の要因がわからない

従って、定期的に残高をチェックし、資金移動の記録をつける必要があります。残高チェックは、一般的には金種表で管理するのでしょう。

金種表の例

確認頻度について正解はわかりませんが、毎日行う会社も多いはずです。

不正防止の観点から、残高のチェックは2人体制で行うのが理想です。可能であればローテーションや休暇期間中に仕事の交代を行い、現金管理が特定の人だけの仕事にならないよう意識しましょう。

増減の記録は、お小遣い帳と同じ要領です。法人であれば、専用の金庫をつくり、次の関係を確認しつつ記録します。

使用金額と残高の関係

差額が生じたら現金過不足で処理する、といった管理になるでしょう。

残高が少なくなった際は、残金を一旦全て振込み、その後に所定の金額(例えば50,000円)を引き出す、というルールを設けることをお勧めします。
引き出した結果(50,000万円)が通帳に記帳され、その時点の現金残高も記録として残せるためです。

現金出納帳と通帳の連動

2. 現金管理の工夫

残高のカウントも記録も、極力減らしシンプルにする必要があります。

まず、業種柄、現金を使う必要性が薄い会社については、可能な限り、立替経費精算で対応し、給与と一緒に振込むことが考えられます。金額が大きなものは、会社から振り込みとします。

従業員にクレジットカードを渡す方法もあります。カード明細が作られるので、記録の手間からも解放されます。もちろん、使用限度額を設定する、利用控えを提出させるなど、不正防止のための工夫は必要です。

3. レジ締めの作業

飲食店・小売店などは業種柄、現金の使用が避けられません。レジに入った現金を管理する、レジ締めの作業が発生します。

一般的にレジ締めは、次の流れで実施するのではないでしょうか。

  • 営業開始前に、前日のレジ残金を確認(チェック担当者を明確にすること)
  • 営業終了後のレジ残金をカウントする
  • 営業終了後のレジ残金と、前日のレジ残金の差額を計算し、レジ現金の増加額を確認する
  • 営業終了後1日の売上高を確認(レジから出力される記録を使用)
  • レジ現金の増加額と、1日の売上高を突合する(チェック担当者を明確にすること)
  • 売上高とレジ現金の増加額に差異が生じた場合、原因について確認する
  • レジ現金の残高を所定の金額だけ残し、残りは銀行に振込むか、金庫に保管する

レジ現金は売上金額でのみ増減させます。レジにある現金で何かを買うことは禁止です。
また、多額の現金が残る状況は、不正の温床となります。売上金額は、マメに銀行に振込む方が良いでしょう。

レジ締めは手間がかかり、かつ毎日行う作業となるため、素早く済ます工夫が求められます。
詳しくはありませんが、もし、食券機や自動釣銭機などで硬貨・紙幣の残高管理まで出来るものがあれば、多少金額が高くとも魅力的だなと感じます。

4. 銀行口座の管理

次に銀行口座についてです。入出金の管理については売掛金・買掛金に記載し、ここではより基本的な管理についてのみ記載します。

銀行口座は、可能な限り数を絞るべきです。理由は次の通りです。

  • 手元預金の把握が即座に可能になる
  • 月初と月末の残高を比較するだけで、キャッシュフローが把握可能になる
  • 資金移動の手間もなくなる

2つ以上になれば残高の把握には足し算をする必要があり、増えるほど計算は複雑です。

銀行口座の足し算をして、残高の把握で精一杯になっては意味がありません。
今後どのような入出金があり、どのように残高が推移するか、ということに思考を巡らせるべきです。

口座の集約作業についてですが、これは何度か経験しました。
業歴が長くなると自動引き落としが多数あり、変更に手間がかかります。電話をかけ、口座振替変更依頼書を請求し、という作業の繰り返しです。
相手からの入金口座を変更する場合は、請求先に事前周知する必要もあるでしょう。

口座を集約できない事情も出てきます。
例えば、ネットバンクは振込手数料が安いものの、公共料金(税金や社会保険料を含む)の自動引き落としに対応してない場合があります。結果、仕方なくネットバンク以外の口座を作ることがあります。
ただ、入金口座と出金口座を分ける行為、入金出金の種類ごとに口座を分ける行為は、余程の理由がない限り避けるべきでしょう。

口座集約は非常に面倒ですが、メリットは大きく是非実施して頂きたい作業です。
今分けて管理している口座がある場合、本当に分ける意味があるのか、一度お考え下さい。