事業計画の全体像

事業計画の全体像

「事業計画を策定して欲しい」、というリクエストを受けたものの、どう手を付けるか戸惑うことはないでしょうか。今回は、仮に私が作成する場合の、計画全体像を示した上で、「計画作成に意味があるのか」、などについて考えてみます。
まずは事業計画の全体像です。状況設定として、新規融資の申込に際し、金融機関から経営改善計画の作成を要請される場面を考えます。

1. 全体の構成を決める

計画に盛り込む項目は次のようにしてみました。

目次

  • 事業の状況(会社の基本情報、BS・PL・CFの実績推移、認識している課題など)
  • 実施予定の施策(計画期間で何を行い、どのように数値に跳ね返るのか)
  • 数値計画の内容(計画期間において、どのようなBS・PL・CF推移となるのか)
  • 金融機関への依頼事項

2. 「事業の状況」をまとめる

まず、自社の紹介から入ります。
基本情報や会社沿革、事業所の概要などをまとめます。役員報酬の削減など検討する場合は、役員報酬の状況を載せてもいいかもしれません。
組織図がある場合は、組織図も載せましょう。計画を読み進める際、読み手の理解に役立つはずです。作成の際は、履歴事項全部証明書や、確定申告書を参照します。

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商流も載せます。簡単でも良いので、図にすると親切です。お金の流れ、サービスやモノの流れを記載し、必要に応じて追加情報を載せます。
製造業であれば、注文を受けた後の、指示・モノの流れなど載せてもいいかもしれません。
なお以上については、従前から取引のある金融機関なら、省略してしまうことも考えられます。

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実績BS・PL・CFは3期~5期実績を掲載します。なお、金融機関への申込みであることを意識するのであれば、取引銀行別の借入金残高、借入条件を整理しておくと良いでしょう。

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認識している課題は、サマリーで全体像から示します。課題をどのように炙り出すかは、内部環境・外部環境の整理をご覧ください。
内部環境・外部環境の整理でまとめたSWOT分析の結果を掲載すると、親切かもしれません。必要に応じて詳細ページを設けます。

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3. 「実施予定の施策」をまとめる

次に、アクションプランを記載していきます。
こちらも同様に、サマリー(誰が、何をどうすることで、どの数値が改善しするのか)から示します。実施した施策が、損益計算書にどのように反映されるかまで記載すると親切です。こちらも、必要に応じて詳細ページを設けます。
実施スケジュールはガントチャートで示すこととしました。

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4. 「数値計画の内容」をまとめる

続いて、将来の計画値詳細を記載していきます。
まず、数値計画を作成する際に、前提とした条件を記載します。実績の直前月と同値なのか、前年同月と同値なのか、改善効果が織り込まれているのか、など明確にします。

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この前提事項をベースに、数値計画(BS・PL・CF)をまとめます。例では進行期を計画0期として、計画3期までの3ヵ年計画としました。
4期、5期も載せましたが、3期と同様の損益推移をした場合、手持ち現預金の水準がどのように変わるのか、あくまで参考情報です。

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5. 「金融機関への依頼事項」をまとめる

金融機関への融資申し込みを作成場面として想定しておりますので、最後に会社から金融機関への依頼事項をまとめます。

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  • 計画は、細部から積み上げで作成する方が望ましいと考えます。
    数値は月次ごと、また、主要な項目は、内訳・要素に分解します。(例えば、売上高→施設ごと売上高→宿泊単価×月間宿泊者数など)
    理由は、計画期間中、もしくは計画期間経過後、実績対比を行う際に、何が差異要因となったか追跡できるようにするためです。
  • 前記と矛盾するようですが、計画内容を、あまりに細かくし過ぎるのもいけません
    あまりに多く内訳を分析し、要素に分けると、作成の手間とフォローの手間が膨大になります。
    まずは、売上高と、主要な費用項目2~3個を分解する程度で良いのではないでしょうか。
    自分で振り返りをする場面を想像しましょう。